ここテストに出ます 伝説のギター Yamaha FGシリーズ

現在FG-800やFG-850など数種類がリリーズされているYamaha FGシリーズですが、実はこのギター、ヤマハが作った初めての国産アコギで、特に初期に製造されたFG-180はジャパンビンテージの代名詞的存在のギターなんです。

1966年の発売から現在までに100種類以上のモデルが登場していますが、今回はたくさんあるモデルの中からビンテージFGを中心に書いていきます。

冒頭でも紹介したFG-180は特に有名で、オール合板の安いモデルでありながら、すごい鳴り、プロも愛用しているなどの噂から火が付き、一時は10万円以上の中古価格が付き、ジャパンビンテージという名前を作ったとされる伝説のギターです。
評価は大きく分かれていて、同じFG-180の年式違いを集める熱心なファンから、ただの安いギターだった。という人まで振れ幅が大きいのも特徴です。

1960~1970年代のビンテージFGには年代によってサウンドホール内に貼ってあるラベルの色が違い、赤ラベル、グリーンラベル、ブラックラベル、オレンジラベルと呼ばれています。
左から赤ラベル、グリーンラベル、ブラックラベル、オレンジラベル


このうちビンテージとして価値があるのは赤ラベルと中ランク以上のグリーンラベル、ブラックラベルで、低価格モデルやオレンジラベルのFGにはあまり価値はありません。

ただ、値段があまりつかないだけであって、安心のヤマハブランドは健在です。安く購入できる1970年代のオレンジラベルを購入して見るのも面白いと思います。

話は戻って次はサイズ

ビンテージFGには、中型のオリジナルウエスタン、小型のオリジナルフォークの2種類のオリジナルサイズがあり、途中からドレッドノートタイプへと移行していきます。当時のヤマハが日本人向けに設計したかどうかまではわかりませんが、一般的なドレッドノートや小型のモデルよりしっくりくる気がします。
左がウエスタン、右がフォーク


赤ラベルの主な機種はFG-110,FG-140,FG-150,FG-180,FG-280,FG-350,FG-500などがあり、中古相場はFG-110で1万円程度、FG-180で3~4万円程度、FG-500になると10万円以上で、180が10万円オーバーだったバブル状態の頃に比べると買いやすくなっています。
FG-200グリーンが1万円前後、FG-200Jブラックが7000円前後、FG-450グリーンが4万円前後、FG-500Jブラックが3万円前後と同じようなランクでも、赤ラベルが一番高くなっており、一番評価されていて、プレミア価格が付いていることがお分かりいただけると思います。

そして、わかりにくくなると思って飛ばしていましたが、ライトグリーンラベル、皮ラベルというものも存在します。
ライトグリーンはグリーンとは別物で、FG-150とFG-180があり、赤ラベルが発売される以前の短期間にのみ販売されていたもので、その希少性から10万円ほどの値段がついています。

皮ラベルは赤ラベルの上位モデルでFG-1500、FG-2000などがあり、オール単板で希少材のハカランダを使用した高級モデル。中古相場も30万円ほどになり、これまでのギターが霞んでしまうほどのビンテージギターです。

もし赤ラベルが欲しくなって来たという方がいれば1つ注意点があります。
それはネックの状態です。
赤ラベルのFGを何本か見てきましたが、ネックが根元から曲がってしまっているものが多くありました。通常アコースティックギターの弦高は6弦の12フレット上で2.5~3.0ミリ程度ですが、3.5ミリや4ミリといった普通には弾けそうにない状態の物も多く存在します。
そのようなギターを選んでしまうと、購入額以上の修理代が必要になる可能性があります。購入の際は弦高が3ミリ以内に収まっているもの、もしくは調整で3ミリ以内にできる物を選ぶ必要がありますので、目利きに自信のない方は信頼出来るお店で購入したほうがいいと思います。

FGは現在も販売中の息の長いモデルで、形はドレッドノートタイプです。また、小型のほうはFSという型番になりこちらも販売中です。
The FGなど高級モデルも一部ありますが、メインはFG、FSともに新品で3万~5万ほど、トップ単板の初級~中級者向けモデルとなっています。

主にビンテージFGについて説明しましたが、その他にも竹を使用したFG-B1Nやヤマハ初のエレアコFG-350Eなど書ききれなかった様々なモデルが存在します。

もしビンテージFGに興味をもっている方、すでにお持ちの方がいれば、ただの噂だけのギターなのか、本当に鳴るギターなのか、ぜひあなたなりのレビューをお待ちしています。